少ない資本ですぐに始められる代表格が学習塾の経営ではないでしょうか。大きな設備投資は必要なく、自宅で開業することもでき、生徒さえ集まれば即、収入を得ることができる、比較的手軽な事業です。
大雑把ですが、自宅で開業し、テナント料がかからないのであれば、1ヶ月1万円の月謝で、20名生徒がいれば20万円の収入です。1クラス5名で4クラス、週2時間、月8時間の授業としましょう。32時間の労働時間で20万円の収入です。
日本では、お受験から始まり、大学合格まで塾に通う人が少なくありません。お受験は一部の生徒だけかもしれませんが、高校受験や大学受験は多くの生徒が経験します。進学校では塾に通っていない子を見つけるのが難しいくらいです。
日本の受験産業は世界的に見ても、非常に珍しいほど大きな産業です。全国展開をして上場を果たす会社もあるくらいですから、いかに大きな産業であるかわかります。しかしながら、教育産業はいま、大きく変わりつつあります。
それは少子化です。大学でさえ潰れる可能性があると言われています。全入時代になれば、塾業界は壊滅状態になると懸念されています。しかしながら、私はそうは思いません。子供の絶対数は減りますが、それよりも深刻なのは日本経済が今後さらに失速することです。
子供の数は減っているのに、学習塾の数は増えています。競争はさらに激化することでしょう。サラリーマンの所得も減少していますから、学習塾も値下げ競争を余儀なくされます。そうなると、大手しか生き残れなくなります。
個人塾であれば値下げは絶対にやってはいけないことのひとつです。大手には絶対に勝てないからです。労働時間と収入が見合わなくなり、廃業に追い込まれるのが落ちです。値下げは大手と愚かな経営者に任せておけば良いのです。
あなたがすべきことは値上げです。(鉄則1)まわりの学習塾が値下げ競争をしているなか、あなたは値上げをするのです。ライバルが「今なら3000円引き」などと宣伝したら、「今入会しなければ3000円高くなります」と宣伝するのです。
目立つこと間違いなしです。ライバルの広告は無視されたとしても、あなたの広告は少なくとも読んでもらえるはずです。こんな時期に値上げをするんだからすごい塾なんだろうと思われる可能性さえあります。
学習塾の収入源は生徒の払う授業料です。あなたの収入は、授業料と生徒の数の掛け算です。月謝1万円の生徒が30人いても、月謝30万円の生徒がひとりいてもあなたの収入は変わりません。従って、生徒数を増やすか、授業料を増やすかすれば、あなたの収入が増えることになります。いずれにせよ、生徒募集から始まることには違いありません。
ホームページは絶対ではありませんがあったほうが良いでしょう。ホームページは大手顔負けの卓越したデザインのものを制作するか、いかにも個人が制作したというのを前面に出したデザインのどちらかにすべきです。中途半端なものは制作すべきではありません。
なぜなら、あなたが思っている以上に学習塾はたくさんあります。そして、あなたが思っている以上に、皆が同じことを考えています。あなたがよほどの変人でない限り、何の特色もないその他大勢になってしまうのです。
その証拠に、自分の学習塾のセールスポイントを挙げてみてください。以下のようなポイントを列挙した人が多いのではないでしょうか。
少人数制
丁寧な指導
オリジナル教材
チラシやホームページを検索してみてください。上記な様なセールスポイントが氾濫しているはずです。そこに、以下のようなセールスコピーがあったら目立ちますよね。
鬼の徹底指導!終わるまで返しません!
ビリの人限定の塾・・・もう馬鹿とは呼ばせない!ビリからトップへ
教科書の復習専門の塾
自習室+質問コーナー
教えない塾(生徒が自習する塾)
宿題サポート
人がやらないことをやる。成功するにはそれ以外ありません。同じサービスであれば、安い方、知名度のある方を選びます。あなたは他では手に入らないサービスを提供すべきなのです。(鉄則2)
特化することは絶対に必要です。ありきたりの塾でも近所から生徒が集まるかもしれませんが、差別化することによって遠方から生徒を集めることも可能となります。また、変わったことをやっていればメディアに取り上げられる可能性もあります。
生徒の数が減っても競争はなくなりません。人に欲望がある限り、競争はなくならないのです。子供の数が減っても学習塾は必要ですから、なんら心配することはありません。しっかりとした戦略さえあれば学習塾で食べていけます。
「全員希望する大学に入れます。」と言われたら、多くの人が東大を志望するでしょう。倍率が下がれば、生徒はより高いレベルの大学を目指すようになります。ですから、難関校や医学部などの受験がなくなることは考えられません。
このような理由から、医学部や難関校専門の塾というのも売りのひとつになるはずです。専門性が高ければ高いほど月謝も多くとることができます。こうした付加価値の高い塾経営は、子供の数が減少するなかで非常に重要な戦略となることでしょう。
学習塾経営において多くの人が間違っているのは、塾が講義を提供するサービス業であるということです。塾は、夢を売る商売です。現時点で成績の悪いあなたのお子さんでも、うちの塾に来れば成績が上がりますよと、親御さんに夢を見させる商売なのです。あなたは夢を売らなければならないのです。(鉄則3)
真面目な人ほどこの本質を見抜くことができません。言い方は不適切かもしれませんが、不真面目でいい加減な人ほどこの点をよく心得ていて、実力がないのにもかかわらず、塾は満員御礼状態になります。
ホームページでは知りうる情報の90%を公開すべきです。(鉄則4)
なぜなら、人には貰った分だけ恩返ししようという心理があります。つまり、あなたが情報を多く出せば出すほど、読んだ人は恩返ししたくなります。少なくともホームページを何度か訪問してくれることでしょう。
人は接触頻度によって親密度が増すと言われています。ホームページを何度も訪れるうちに、実際に訪れてみたくなるはずです。また、そのように文章を書くべきなのです。ホームページでは自作教材(10ページ程度のPDFでも良い)を無料で添付してください。
大切なのは、「私はこのように教える」というのではなく、「あなたはこのように成績が上がる」なのです。繰り返しになりますが、塾は夢を与えるサービス業なのです。成績が上がるように錯覚させる魔法をかけるのです。
これは入口の時点での話で、実際に成績を上げることは当然必要です。塾に通わせているだけで満足している親御さんが多いのも事実ですが、成績を上げることができれば、塾の評判は間違いなく上がります。
折り込みチラシを1万部配布すると数件の問い合わせがあることでしょう。問い合わせをした内の1名でも入塾すれば良いのですが、冷やかしも多いのが現実です。しかし、口コミによる入塾率はほぼ100%です。
口コミ効果を狙うべきです。(鉄則5)とは言え、まずは生徒を集めなければ口コミ効果を巻き起こすことはできません。口コミ効果をうまく利用できればホームページなしで集客することができます。
口コミ効果を起こすために重要なのは、主婦ネットワークです。主婦ネットワークはあなたが思っている以上に強力です。もしもあなたが主婦グループのリーダー格を納得させることができれば、グループ内の人もこぞって塾に入ることでしょう。
ホームページの見栄えは極端にすべきです。(鉄則6)ホームページは大手予備校に対抗できるほどクオリティの高いものか、個人が制作したのが丸出しのものかのどちらかにしてください。中途半端な見栄えはありきたりで、埋もれてしまいます。
効率良く集客できるチラシはありません。ローカルマーケティングをしてください。(鉄則7)新聞の折り込み広告は数打てば当たるという理論です。何度も何度も数多くの家に織り込みチラシを打つためには、多くの広告費が必要です。効率が低いので個人塾にはお薦めすることができません。
効率的なのは以下の方法です。
・公園で子供を遊ばせている主婦に直接チラシを渡す
・スーパーの掲示板に貼ってもらう
・コミュニティーセンターで講座を受け持つ(不可能であればチラシを貼ってもらう)
・自宅以外でも貸し教室で講座を開催する
・主婦が集うカフェにチラシを置いてもらう
自宅以外にもサテライト教室があれば、良い宣伝になります。カルチャーセンターなどで習い事をしている人が概して学習欲が高いため、子供にも習い事をさせています。時間割等に掲載されれば目にとまること間違いなしです。